MED Japan 2023 の動画を公開しました

2023年10月1日(日)に日本科学未来館未来館ホール(東京都江東区)で10名の登壇者を招いて開催されたMED Japan 2023のプレゼンテーションを動画をこちらのホームページからご覧をいただけます。

※下にスクロールしてご覧ください。

【MEDとは】

Make Everyone Delighted

MEDは〝いのちの場から、社会を良くする〟志を抱く人が集う場です。

そこにある問いを共有し、考えを深め、手足を与え、世の中のカタチにします。

MEDはいつも草の根の人たちの一隅を照らす行動とともにあります。

MED Japan 2023は3つの団体の共催で開催します。
MED 2023 基調講演

田坂広志

学校法人 21世紀アカデメイア 学長/多摩大学大学院 名誉教授/
シンクタンク・ソフィアバンク 代表/田坂塾 塾長/元内閣官房参与

21世紀の教育は、どこに向かうのか


これから第四次産業革命が進展し、高度なロボティックス技術と人工知能(AI)技術が社会全体に広がっていく。その結果、人間の能力の多くを、ロボティックスとAIが代替していくため、社会で活躍する人間の条件が、根本から変わっていく。
では、これからの時代、人間に求められる能力は、どう変わっていくのか。そして、それに伴い、教育の在り方は、どう変わっていくのか。大学や専門学校などの教育機関は、どう変わっていくべきなのか。

本講演では、学校法人の学長としての学園改革の経験を踏まえ、教育の未来を語る。

MED 2023 プレゼンター

※プレゼンターの並びは登壇順です。

松山真之助

ビジネスをアートにする研究所 代表

臨機応援! 災害支援のあり方
熊本県人吉市/令和2年集中豪雨災害からの学び

異常気象により各地で豪雨災害に見舞われています。線状降水帯という気象用語が一般化している今日、災害は、他人事ではなくなってきました。今回のMED Japanでは、熊本県人吉市で経験した災害支援の現場をご紹介し、災害支援のあり方について考えてみたいと思います。
私は、熊本県人吉市に3年半ほど住み、その中で令和2年の豪雨災害に直面しました。7月4日未明、市街地の7割近くが水没し、甚大な被害をもたらしました。一夜明け、街は一変、大変な惨状が広がっていました。一旦、泥水が引いた後は、自衛隊や消防などの救援活動のほか、災害ゴミの処理などに追われる市民の姿がありました。問題は、たまる一方の災害ゴミです。ほとんどの車は流され使えず、ゴミの運搬もままならない状況がありました。
そこで、熊本市の中古車販売の社長に協力を求め軽トラを10台ほど格安で借りることに。また必要な費用は、スマートサプライという東日本大震災の時に生まれた支援のネットシステムで集めることに。モノと資金の目処をつけ、軽トラ・無料貸出プロジェクトが始まりました。「必要な人に、必要な支援を、必要な分だけ」というコンセプトのスマートサプライは、リアルタイムで、支援の状況がネット上にアップされていきました。
支援と共感の輪をむすぶ仕組みの紹介、いざというときに助けてと叫ぶ大切さなどを共有し、想像力、応援力、機動力について、考えてみたいと思います。「臨機応援!」

玉置妙憂

非営利一般社団法人 大慈学苑
日本スピリチュアルケア実践協会

横軸のケアはある。縦軸のケアはどうだ?

縦軸のケア。それは、スピリチュアルケアです。
現代社会には、医療、介護、福祉と、私たちをサポートしてくれるさまざまなシステムがあります。でも、これらはすべて、目の前に並んでいる横軸のケアです。
縦軸のケアとは、それらの仕組みを選び、活用しながら、実際に、生きること、死ぬことに向き合っていくその人自身を支えるケアなのです。
どんなに仕組みが充実していても、それを使う人が支えられていなければ、物事は上手く回りません。介護殺人や、児童虐待がなぜ起こってしまうのでしょうか。その一つの原因は、その人自身を支える縦軸のケア、スピリチュアルケアが現代社会に不足しているからだと、私は考えています。
でも、みなさんはきっと、「スピリチュアルケアってなんだ?」と思われることでしょう。そうなのです。とてもわかりづらい概念なのです。でも、れっきとした医療用語なのですよ。まずは、スピリチュアルケアとは何なのかを、みなさんに知っていただかなければなりません。今日は「スピリチュアルケアってそういうことなのか!」を持って帰っていただければけっこうです。
今を豊かに。より良い未来を次世代に。そのための最後のピース「スピリチュアルケア」についてお話しさせていただきます。

本嶋孔太郎

森・濱田松本法律事務所 弁護士 / RULEMAKERS DAO コミュニティマネージャー

ソーシャルインパクトのためのルールメイキング(誰でも法制度や政策を変えることのできる時代の到来)

【RULEMAKERS DAO】
皆様も実感されているとは思いますが、今まで国のルールメイキング(政策決定や制度改革、法改正)について、一部の利害関係の多い有識者以外、実効的に関与するのは難しい状況でした。結果、新しいチャレンジがしづらいルールがずっと維持されてきました。
そんな中、日本のルールメイキング・民主主義を刷新すること、実際に挑戦者が挑戦できるルールとすべく、様々なルールメイキングを行っていくことを目的に、昨年末にRULEMAKERS DAOというボランティアコミュニティが立ち上がりました。専門家、官僚、議員、民間企業のサポートの下、今までルールメイキングに関与できなかった10代~20代(+東京以外の地域の人)を中心とした挑戦者がメインで活動しております。

【ソーシャルセクターのためのルールメイキング】
日本中で(もちろん世界中で)、あまり儲からないものの、社会に良いインパクトをもたらす事業/取り組みが行われています。しかし、人/物/金/ルールの観点で、そういった事業/取り組みを思うように展開/社会実装できない現状があります。
そこで、RULEMAKERS DAOにおいて、アース/ソーシャルグッドな事業を社会実装しようとチャレンジする社会起業家/事業者/組織が人/物/金/ルールの観点で、スムーズにチャレンジし、社会実装できるようにルールメイキング活動をしています。以下が、アンケートフォームです!

>> ソーシャルインパクト×ルール_アンケート


【お話しすること】
日本におけるソーシャルセクターにとってのルールメイキングがどう変わりつつあるか、どのようにルールが変わるのか、どのようなルールに変わろうとしているのかについてお話し、誰もがルールメイキングに関与できるきっかけになるようなお話をできればと存じます。

ボランティアナースが駆けつけます!!

全国訪問ボランティアのナースの会キャンナスは1997年に湘南の地で発足し、現在全国165カ所あります。(2023年8月現在)
平時のキャンナスは①潜在看護師の起こし②ターミナルケアのお手伝い③レスパイトケアと言う3つの理念のもと活動しています。
ただ2011年の東日本大震災に半年で延べ15000人の医療職を現地に送り込んだことと、避難所に住民さんとともに寝泊まりをする生活をしたことが認められ、看護の大先輩、川嶋みどり先生より、被災地のナイチンゲール と言っていただけたことがすごく大きな転換期となりました。
また、平時のキャンナスは、地域包括ケアと言う国の政策の流れの中、各地からこの活動の意義が認められるようにもなりました。
地域に根ざした看護師が、できることをできる範囲で活動することとし、各地の代表は、自己決定、自己責任、自己判断のもとに、それぞれの思いで地域の方々のために制度外のお困り事に応える事をしています。
レスパイト目的の場合は、家族の手代わりとしてお手伝いするので、日常的に家族がやっている医療的行為のお手伝いもいたします。医師の指示のもとに動く事はしておりません。
又、結婚式の同行、旅行の同行、転院同行、長時間の介護など、赤ちゃんから高齢者まで対象にしています。ただ、メンバーは皆、仕事をしながらの活動になりますので、ご希望に添えないことももちろんあります。
お電話でお話しをしていると、制度に乗せることができるケースもたくさんあります。医療保険や他のサービスを知らないで、キャンナスにSOSしてこられている場合には、制度での利用お勧めし、そのお手伝いもいたします。それでもだめな場合はキャンナスでお手伝いをすると言う形をとっております。キャンナスはあくまでも住民同士の助け合いです。
困った時は、お互い様と言う思いのもと、地域の為に看護師として何かお手伝いとしたいと思っている看護師たちが各地でがんばっています。

私のミッション ~ALSと向き合う

人生に向き合わなくてはならないことがある。私は2度ある。最近もあった。2021年8月4日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断。同時に余命宣告。しかし、絶望する暇もない程、やらなくてはと感じることで頭が一杯になった。そのために財団を立ち上げた。そしたら仲間が集まった。財団には3つのミッションがある。他のALSの患者に「寄添う」。低下する身体機能をサポートするための手段や方法を世界中から集め、直接提供して患者を「支える」。医学の進歩には期待している。一方、間に合わないかもしれないという不安もある。ただ、自分に自分で希望の灯を灯せれば裏切られない。患者が病気を「乗り越えようとするその努力をお手伝いする」ことが3つ目のミッション。
なぜ前向きなのか、と聞かれる。それは私が初めて自身の人生に向き合った最初の経験に関係している。1991年9月、ザイール(現コンゴ民主共和国)で大暴動に巻き込まれ、命からがら脱出した。脱出できたが長くPTSDに苦しむ。乗越えられたのは、助かった替わりに人生をかけて達成すべきミッションを与えられたからと信じたから。ALS罹患そしてそれを乗り越える自身の旅路が自分のミッションだと信じた。そして、今の自分があり、今後もそう信じていく。最近、人生に失望し、絶望の際に立っている人が少なくない。ミッションに取り組む私の姿が、「生きる」意義を見失いそうになっている他の人たちの励みになればと考えている。

丸尾 聰

丸尾経営教育研究室 代表
事業構想大学院大学教授
慶應義塾大学ビジネススクール講師

「観察」は「発明」の母
聞くことや調べることは、クリエイティブな発想力を殺す?

企業の研修担当や社会人大学院から、「クリエイティブな発想力をつけて欲しい」という依頼が増えています。理由を聞くと、新規事業のアイデア出しや、社内の業務改善の提案の「質も量も、下がっているから」だそうです。
他方で、検索エンジンの普及によって、欲しい情報や、必要なスキルを、容易かつ迅速に獲得できるようになりました。必要に迫られて、何かを発想したり、発明する必要がなくなったのかもしれません。そういえば、『「必要」は「発明」の母』は、最近聞かなくなった気もします。
今回のプレゼンテーションでは、私が企業研修や社会人大学院で行っている、「日用品の課題解決と観察」のワークショップの一端を楽しんでいただきます。
併せて、そのワークショップの参加者の回答にみる「誤解」や「偏見」をご報告しますが、それを「滑稽」と感じて笑うか、「硬直」して恐くなるか、分かれるでしょう。
冒頭に述べた、アイデアや提案の質や量が下がっていることと、検索エンジンの普及で、欲しい情報や必要なスキルが、容易かつ迅速に獲得できることとの関係についても、皆さんと一緒に考えてみたい、と思います。

宇井吉美

株式会社aba 代表取締役 CEO

おむつを開けずに中が見たい

介護者さんの何気ないひと言が私にきっかけと衝撃を与えてくれました。
介護の現場は30年前から現在に至るまでほとんど変化していません。
その1つが「排泄」であり、日常生活を送る中で必要不可欠で最も重要なケアイベントでもあります。現場には、おむつを変えてほしいがうまく伝えることができない利用者さんと、変えてあげたいけど適切なタイミングがわからない介護者さんで溢れています。今は第三者目線かもしれませんが、近い未来では私たち自身が当事者として直面するかもしれません。では、日々進歩する技術の中で私たちができることは何なのでしょうか?
私たちは解決案の1つとして「におい」に着目し、排泄を検知するデバイスを開発しました。においを対象としたデバイスであることで利用者さんに対しては非侵襲・非装着を実現でき、簡単に設置可能であれば介護者さんの負担も減らすことができます。また、排泄は知らず知らずのうちに生活のリズムを築いており、排泄ケアの向上は利用者さんだけではなく、介護者さんに対しても多くのメリットを秘めていると考えています。
今回のMED Japanでは、既に人類総介護時代であるこの世界で介護において避けては通れない「排泄」という最重要ケアに目を向け、介護に関わる人々をどのようにテクノロジーで支えることができるのか、また、排泄を整えることの重要性について考えてみたいと思います。

鶴岡秀子

レジェンド一般財団法人 代表理事、レジェンドプロパティ一般社団法人 代表、ザ・レジェンド・ホテルズ&トラスト株式会社 代表取締役CEO

自分の出番を見つけよう!

背景:創業時に他者施設に見学に行った時、大きく3つ感じたことがありました。1つ目は「担当している業務のスキルアップ教育」は熱心に実施されているけれども、「スタッフが失敗させないようにするフォローが厚く、過保護になっている」こと。2つ目は、担当している業務と直接関係はないけれども、仕事をする上で一番大切な「マインドセット教育」がされていないと感じたこと。そして3つ目は、「本人が生きたい人生、自分らしさの発揮」という点には、あまり着目されていないということでした。
目的:私たちは、人生の目的は「自分らしさを発揮して幸せになるため」と考えています。どんな人にも得意なことがあり「出番」があります。ひとり一人の「出番」を作っていくことで、一人でも多くの人が“自分らしい人生”を選択できるようにお手伝いしたい。と考えて事業を行っています。
方法:受注しているお仕事を教えて出来るようにするという「スキルアップ教育」も実施しますが、それ以外に「マインドセット教育」や「障害者の皆さんに出番をつくる」ことを、就労支援事業をスタートして10年間実施してきました。
結果:自分の出番にチャレンジすることで成長され、『一般就労する方が増える』、そして『就労後に継続できる方が増える』ということが立証されました。今回のプレゼンでは、その活動についてお話したいと思います。

佐藤伸彦

ものがたり診療所 所長

わたしは「ものがたり」で、できている

「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」
フランスの画家、ポール・ゴーギャンの作品である絵画の題名です。
私も同じような答えのない問いを考え続けてきました。
今年で65年という人生が過ぎ去って思うことは、終生一貫し、固定化され、立ち止まった静けさの中にある「何者か」は存在せず、他者に開かれた無限の関係性の中で常に姿、形を変え、一瞬たりとも立ち止まらなく変化する動きのある大きな集合体としての「何者か」が存在するのです。その「何者か」に私は、知らず知らずに「ものがたり」という名をつけていたのだと思います。
陰陽道の安倍晴明の言い方を借りれば「ものがたり」という「呪をかけた」のです。「呪」(しゅ)とは呪いの意味ではなく名前をつけることによって形のないものを第三者が言葉(言霊)によって縛ることを意味します。約25年前にナラティブホームという造語を作り、ものがたり診療所を開設し、最近ものがたりの街を作った歩みは、止まる事を知らない「ものがたり」でした。そしてこの「ものがたり」の変化を書き記していくということが、生きる、ということの意味であると思います。
「ものがたり」の扉が開き、お互いが語り合い、読み合い、分かち合うことによって「ものがたり」がさらに深く豊かに書き換えられていく、それがケアということ
です。

あなたも「ものがたり」で出来ている。

MED Japan 2023 概要

  • 参加費
参加方法参加費
現地参加(超早割)8/31日まで3000先着100名
オンライン参加(超早割)8/31日まで1000
懇親会4000円先着70名
現地参加(早割)9/17日まで4000先着70名
現地ペア参加(早割)9/17日まで7000先着20組
現地参加5000円
現地ペア参加9000円
オンライン参加2000円
MED Japan 2023に協賛をいただいているみなさま

(株)チェンジ・アーティスト 荻阪哲雄

クイーンズアイクリニック

ARTCREAM 株式会社

光洋自動車株式会社 堀越勇一郎

北美原クリニック 岡田晋吾

中島昭広

MuseWorks

チーム前橋

(順不同、敬称略)

MED Japanでは広く企業・団体のみなさまとのパートナーシップを展開しています。
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